大きな特徴はないけど無難な火災保険
代理店型の火災保険は高いイメージが定着していますが、損保ジャパンのTHEすまいの保険スリムタイプなどシンプルなプランは安い保険料に抑えられます。大手だけあって基本補償が手厚いのが魅力です。
損保ジャパン
- 会社名
- 損害保険ジャパン株式会社
- 設立
- 1888年(明治21年)10月
- 資本金
- 700億円(総資産7兆3,666億円)
- 運営母体
- SOMPOホールディングス
- 主要商品
- 火災保険、自動車保険、傷害保険、旅行保険など
- 運営方式
- 代理店
火災保険のスペック
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戸建水災対象
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Web契約
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風災等補償対象
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破損
汚損 -
鍵開け
水回り修理
主な割引制度
- 建物築浅割引
- 長期年払い割引
- 建物家財セット割引
損保ジャパン火災保険の特徴
損保ジャパンは2002年7月に安田火災海上と日産火災海上が合併して初代が誕生。その後は同年12月に大成火災海上と合併、2014年9月に日本興亜損保を合併し、損保ジャパン日本興亜に名称変更しましたが、名称が長すぎる理由で2020年4月に旧名称の「損保ジャパン」へ再び名称を戻しています。
損保ジャパン「THEすまいの保険」を主力に、賃貸住宅入居者専用保険、積立火災保険を扱っています。THE住まいの保険は以下の種類に細分化されています。
- ベーシック(Ⅰ型)
- ベーシック(Ⅱ型)
- スリム
破損・汚損や盗難補償の有無などプランごとに基本補償の項目が異なり、ここ最近は自由設計化した改訂を行いカスタマイズ性も向上しています。免責金額(自己負担金)の設定も細かいので自分にあったプランを選びやすいです。
大手代理店型損保ですが、THE住まいの保険についてはオンラインのクイック試算を利用できるので免責や補償範囲による保険料の差を見ながら自分自身で手軽にプラン選定できます。東京海上、三井住友海上と並ぶ日本の3大メガ損保として実績を挙げてきて、2010年には日本興亜損保と統合して拠点数や資金力など幅広い面で大幅パワーアップしています。
保険料は大手代理店ということもあり通販型などに劣る面もありますが、信頼性と免責0に設定できる領域など補償の手厚さが特徴です。事故対応の評判もよく、安心感を重視して選ぶ方が多いです。
代理店の質が高い
損保ジャパンは個人代理店になることが難しく、まずはグループ会社で通常の保険代理店業務を3~5年行わないといけません。その後、そのまま従業員で働くか独立開業して個人代理店になるか選べます。
最近では複数の保険代理店を行っている総合保険相談窓口も増えていますが、簡単になれる代理店型保険ばかりを扱っているところは、スタッフの質が低いケースもあります。損保ジャパンの代理店は個人単位のところであっても、グループ会社で下積みをしているので知識と経験が豊富なプロが最適なプランをアドバイスしてくれます。
また、運営母体の従業員も業界では給料がトップクラスに良いことでも有名で、優秀な人材の多い保険会社です。注意点としては、自動車保険にも強い損保会社で、火災保険よりも自動車保険に重点を置いている代理店もあります。
また、大手不動産会社も代理店になっているケースもありますが、できれば火災保険の取扱も豊富な損保ジャパンの保険取次業務を専門にした代理店を利用すると良いでしょう。損保ジャパンに直接問い合わせて紹介してもらう方法もありますが、一括見積サイトを利用すれば近くで火災保険に強い代理店を紹介してもらえます。
すまいとくらしのアシスタントダイヤル
THEすまいの保険には全ての契約で「すまいとくらしのアシスタントダイヤル」が付いてきます。法律や税務の専門家による無料相談電話窓口をはじめ健康、介護、防犯など幅広い窓口を用意しています。さらに水まわりとカギのトラブルは24時間駆けつけサービスも付いてきます。
最新改定情報
2022年10月1日契約始期より個人用火災総合保険の改定が行われました。主要な変更ポイントは以下の通りです。
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保険料の改定
2019年と2021年の改定に引き続き、全体的な自然災害による保険金支払い額が増加しているため、実質値上げになる保険料率の改定を行いました。
こちらは他の大手損保会社も軒並み料率改訂を行っています。 -
建物「破損等」補償の自己負担額の設定方式を変更
破損に限定して自己負担額が最低5万円に改定(免責なしや免責1万円でも、破損に限り5万円の免責負担が必須になる)
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築年数別割引の対象範囲拡大
築年数割引適用の範囲が築15年未満から築25年未満に拡大。
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建物の所有関係の告知化について
主にマンションの契約で建物が「所有(1棟すべて所有物)」なのか「区分所有」なのかが告知事項に加わる。
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最長保険期間の短縮とそれに伴う改定
損保ジャパンに限らず全ての火災保険が2022年10月の改定で最長保険期間10年→5年に短縮されています。
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建て替え費用特約の新設
建物に一定以上の損害が出て建て替えをする際に、古い建物の取り壊し費用などを通常の保険金に上乗せして支払う特約が新設されました。
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自転車の補償範囲拡大
敷地内で保管している自転車を家財保険の補償範囲に拡大(改定前は建物内に収納しないと補償外)
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その他の改定
- 水濡れ、不測かつ突発的な事故の免責額が最低5万円に改定
- 貴金属等の不測かつ突発的な事故の支払限度額の上限値が100万円に改定(1事故・1個あたり)
- 不測かつ突発的な事故の補償で液体流出とドローン類で生じた損害が補償対象外に改定
- 携行品損害特約の「預貯金証書」が補償の対象外に改定
- 保険金支払要件の見直し(悪質な住宅修理業者対策)
- 悪質な住宅修理業者についての電話相談窓口を開設
続いて、2021年1月1日契約始期の改定情報をご覧ください。
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保険料の改定
自然災害増加による実質的な値上げ。
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補償・サービス内容の充実
不在時における宅配物への補償、個人賠償責任特約の補償範囲拡大など
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補償の縮小・明確化
携行品損害特約における釣竿や竿掛けなど、あまり多く見られないケースが縮小。
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建築基準法改正に伴う改定
構造級別判定方法の改定など。
総評
損保ジャパンは典型的な代理店型大手損保で、一番の強みは代理店や本部のスタッフによるマンパワーです。通販型に抵抗のある方や、保険のことなら何でも相談できるプロフェッショナルの担当者と付き合いを持ちたい方にオススメです。
また、保険料が割高なイメージを持たれがちですが、一括見積をして損保ジャパンが最安値になる口コミ情報を多数確認できました。損保ジャパンは火災保険に力を入れている保険会社ですので、必ず一度は見積を取ってみるようにしてください。
プランをシンプルにしているので分かりやすく、スリムタイプにすれば保険料の差額が通販型と比べて少なく、付帯サービスが充実しているので検討候補に入れる価値はあります。