ハザードマップと火災保険の関係

ハザードマップと保険料は関係がある?

2019年の台風19号や2018年の西日本豪雨では、大きな被害を受けた住宅の大半が災害ハザードマップの危険区域でした。
ハザードマップの信憑性は非常に高く、住んでいる家の危険性を表す重要な指標であることは確かです。

しかし2020年2月現在、火災保険料とハザードマップの危険区域の関係性はありません。
現行の制度では都道府県と構造別に火災保険料率が決まる仕組みです。

将来的にはハザードマップの状況で火災保険料の割増・割引が行われるように改定される可能性があります。

火災保険料率の決まり方

火災保険料の料率は、損害保険料率算出機構の出した火災保険参考純率を元に、各保険会社が自社の保険金支払いデータを元に独自で保険料率を決めています。
火災保険参考純率および各保険会社の地域別保険金支払額の統計は都道府県単位で行われています。

一例として、河川に近いエリアと丘の上で洪水とは無縁の立地であっても、水災リスクの火災保険料率は一律です。
なお、例外として離島については管轄の都道府県とは異なる料率を設定しているケースがあります。

・参考元 損害保険料率算出機構
https://www.giroj.or.jp/ratemaking/fire/

地震保険料は、都道府県と構造によって決められた地震保険基準料率表に基づく内容で、各保険会社が均一価格になっています。

水災保険料は全国一律

火災リスクと地震保険料は都道府県ごとに設定されていますが、水災リスクの料率は全国一律設定です。

損保会社大手の東京海上日動HDの小宮社長は、「(水災に対して)リスクに見合った料率体系の検討も必要だ」とコメントしていて、将来的に各保険会社で水災リスクの料率細分化が行われる可能性があります。

・参考元 時事ドットコムニュース
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020010800241&g=eco

マンションの保険料率

マンションの火災保険料は地域(都道府県)と構造によって保険料率が決められ、専有部分の広さによって保険料が変わります。
つまり、専有面積が同じなら同じマンションの1階と高層階で保険料は全く同じになる仕組みです。

水災リスクは高層階よりも1階の方が高く、高層階では地震発生時に揺れが大きくなる影響で家財の損失が発生しやすくなります。
このようにマンションは階数によるリスクの差が明確ですが、保険料率は一律になっているのが現状です。

料率が細分化されない理由

保険料を見直す

リスクに見合った保険料を実現させるには、立地やマンションの階数に応じて個別に保険料率を決めることが望ましいです。

全物件で個別に決めることは難しくても、ハザードマップの危険区域やマンションの階数に応じたルールを作るだけなら不可能ではないでしょう。

保険会社が都道府県単位で保険料率を一律設定している理由は、料率設定を細かく設定する作業コストによるものです。

自動車保険のように車種ごとに区別するのとは違い、火災保険は土地・建物のリスクを全て個別に精査することは非常に難しいです。

また、同じエリア内でも火災保険料率が高い物件と安い物件で分かれてしまうと、地主や不動産会社からのクレームが発生します。
こうした手間とコストを削減するために、火災保険と地震保険の料率は都道府県と構造に応じて料率を一律設定しています。

まとめ

2020年2月現在の火災保険料率に関する動向は以下の通りです。

・火災リスクと地震保険料は都道府県別の料率設定
・水災リスクの料率は全国一律
・全体の料率が2020年度中に値上げ予定
・近い将来、水災リスクの料率が細分化される可能性が高い
・ハザードマップやマンションの階数で料率が細分化されるかは不明

現時点では水災リスクの全国一律料率を見直す具体的な動きは出ていません。
ただし、相次ぐ大規模水害の発生によって、全国的に火災保険料が値上げ傾向です。

これから火災保険への新規加入・更新をする場合は、長期契約を結ぶとよいでしょう。
ハザードマップの危険区域にお住まいの方は、火災保険の料率改訂情報を小まめにチェックすることをおすすめします。

危険区域に応じて保険料率が変わるニュースが出た場合は、既存契約を一度解約して新規で長期契約を結び直すことを検討してみてください。
大規模水害の発生頻度が増えているため、火災保険の料率は中長期的に高まり続ける可能性があります。

今後は火災保険を節約するテクニックとして、料率が上がる前に解約・再契約を結ぶ需要が増えていくでしょう。
火災保険の長期契約を結んだ際は、満期まで放置するのではなく料率改訂に関連したニュースを小まめにチェックすることをオススメします。