オール電化は火事にならない?

オール電化につきものであるソーラーパネル

オール電化はガスを使わずに電気のみでキッチンや給湯を行う設備です。
まずは主な設備の違いをご覧ください。

設備の違いを表した表グラフ

ご覧の通り、オール電化はガス器具を一切使わない住宅設備のことで、非オール電化住宅でもキッチンのみはIHを使うケースがあります。
給湯に関しては、非オール電化住宅は基本的にガス給湯器を使っているため、エコキュートを導入しているかがオール電化住宅を判断する目安です。
(エコキュートを導入しているのにガスコンロを使っている事例は極めて少ない)

オール電化住宅はガス会社と契約そのものをしませんので、ガスヒーターなどガスを使う器具は一切使えません。

オール電化住宅はガスを使わないため光熱費の管理をスマートにできるメリットがあります。
ただし、お湯を電気の力で作るエコキュートは、都市ガス+電気の非オール電化住宅より光熱費が高くなりやすいです。(使用量と使用する時間帯による)
そのため、オール電化住宅は太陽光発電システムを併用する家庭が多いです。

また、オール電化でも暖房設備で石油ストーブを使えば、火災リスクが高くなります。
今回は、オール電化特有の設備が原因で火事になるリスクについて詳しく解説いたします。

IHコンロからの火災

IHコンロは火を使わないため、ガスコンロに比べて火事になるリスクが低いです。
昨今は安全性を重視してキッチンだけIHクッキングヒーターへの変更リフォームをする家庭が増えています。(特に高齢者)
IHクッキングヒーターの場合、コンロからの火が洋服やキッチン設備に燃え移って火事になるリスクはありませんが、以下3つの原因で火事になる恐れがあります。

①調理方法による問題(フライパンの油が燃えるなど)
②IH非対応の鍋やフライパンを使う
③漏電

IHコンロでの火事は99%以上が①の調理方法による問題です。
IHクッキングヒーターは危険を察知すると停止するセンサーが付いていますが、フライパンから炎があがって、瞬時に服やキッチンに置いてあるキッチンペーパー、タオルなどへ燃え移ると大規模火災に発展してしまいます。

②のIH非対応の鍋やフライパンについては、IHに反応しない(熱伝導率が低い)タイプと過剰に反応するタイプがあり、IH非対応で売っている調理器具の大半はIHに反応しないものです。
IHに過剰反応する鍋を使った場合は、火事になる前にセンサーが反応することが多いため、火災発生事例は少ないです。

③の漏電による火災リスクがあることは事実ですが、実際に火事になった事例はほとんどありません。
システムキッチンでのIHクッキングヒーターが普及したのは比較的新しいことと、漏電しても火事になる前に電気代が高くなって気付くことが関係しています。
今後、古いIHコンロが増えていけば漏電による火災事例が増えていくかもしれません。

ちなみにIHクッキングヒーターは200V電源を活用し、最大消費電力は1,500~3,000Wに設定されている器具が多いです。
電化製品・電化設備の中では漏電した際にショートして火花が発生するリスクが高いので注意しましょう。

エコキュートの火災リスクは低い

屋外にあるエコキュート本体

エコキュートは電気代が安い夜の時間帯に電気の力でお湯をまとめて作って保管しておく設備です。
また、お湯を作る仕組みはヒートポンプで集めた大気の熱を利用する方式を採用しているため、火災リスクが極めて低い構造です。
IHクッキングヒーターと同様に漏電リスクはあるものの、これまでエコキュートが原因で大きな火事に発展した事例はほとんどありません。

太陽光発電による屋根火事

オール電化住宅で意外に多い火事の原因が太陽光発電システムを起因にした屋根火災です。
2019年1月28日に消費者省から注意喚起が行われました。

消費者省によると、2018年10月時点の太陽光発電システムの累積設置棟数は2,374,700棟。
その中で2008年3月から2017年11月までに、127件(調査対象は72件)の太陽光発電システムを原因にした火災が発生しています。
発火箇所はモジュール(ソーラーパネル)とケーブルの2種類があり、モジュールによる原因は設置方法による問題。
ケーブルが原因の火災は小動物がかじるパターンと、設置不備によって建物やモジュールにケーブルが挟まる2つの原因が多いです。

消費者省による太陽光発電の注意点(リスク・対処法)は以下の通りです。

屋根置き型と鋼板等敷設型は火災報告がない
・鋼板等付帯型はモジュール下部へのケーブル挟み込み等による発火事例があるため、「屋根置き型」又は「鋼板等敷設型」への変更を推奨
・鋼板等なし型はモジュール又はケーブルが発火した場合、野地板へ延焼する可能性があるため、ケーブルの挟み込み等を防ぎ、またルーフィング上にケーブルを可能な限り敷かないような構造への変更を推奨

太陽光発電システムを導入している家庭は、設置方式を確認することから始めましょう。 リスクが高い鋼板等付帯型と鋼板等なし型は点検を受けて推奨する構造への変更を検討してみてください。

おわりに

オール電化住宅でも火事になる恐れがあります。
ただし、非オール電化住宅(ガスを使っている住宅)に比べればリスクが低いため、昨今はオール電化割引を用意する火災保険が登場しています。
オール電化住宅にお住まいの方は、加入する保険会社を見直せば保険料が安くなる可能性が高いですよ!

また、住宅の火災リスクは住居内からの火元だけではなく、近隣の住宅が火事になって燃え移るケース(類焼損害)があります。
また、火災保険は火事の損害だけではなく水災・風災の自然災害をはじめ、幅広い住宅の損失リスクを補償します。
オール電化住宅でも火災保険へ必ず加入するようにしましょう。