不動産価値下落リスク

火災保険・地震保険加入後も災害に備える重要性

提案する男女
一戸建てが立ち並ぶ住宅街

火災保険・地震保険加入後も災害に備える重要性

武蔵小杉タワマン住人が抱えた損失

武蔵小杉のタワマン問題や東日本大震災の液状化現象で発生した被害を見ると、火災保険や地震保険に加入していても大きな損失が発生しています。お住まいの家や購入する家のリスクを正しく把握することが大切です。

災害時の不動産下落リスク

困る男女

火災保険や地震保険に加入していれば、災害や事故が発生した際に建物を修繕する費用が補償されますが、不動産価値の下落は補償されません。立地や建物の構造に不安要素があっても、火災保険に手厚く加入しておけば問題ないと軽く考える方がいますが、不動産価値が下落すると大きな損失が発生します。

これから不動産を買う方は火災保険でのカバーだけではなく、なるべく不動産価値が下がりにくい物件を選ぶとよいでしょう。持ち家の立地や構造に不安要素がある場合は地震保険を手厚くかけるなどして、大きな災害に備えてください。

2019年の大規模台風で話題になった武蔵小杉のタワーマンション問題や、地震で地盤沈下した場合の補償範囲など、実際に起こった事例を元に不動産価値が下落するリスクを解説いたします。

武蔵小杉タワマンの地下浸水

2019年10月に関東地方を直撃した台風19号の影響で、武蔵小杉にある地上47階・地下2階建てのタワーマンションの地下部分が浸水し、地下の配電設備が故障して長期間にわたり停電・断水状態が続くトラブルが発生しました。

この災害トラブルによって、国内屈指の人気タウンだった武蔵小杉のタワマン需要が大きく減少し、被災マンションは価値が大きく下がったと言われています。数十年に1回レベルの豪雨・台風による浸水リスクを考えずに地下2階に配電設備を設置していたことと、非常用発電設備の用意がなかった点が大きな問題です。

被災マンションでなくても、地下に配電設備があるマンションは風評被害で売りにくくなっています。

火災保険の補償

浸水した地下の配電設備の修復費用は管理組合の加入する共用部分の火災保険でカバーできますが、各住居(専有部分)については直接的な被害がない限り補償の対象外です。

被災した武蔵小杉のタワーマンションでは、住人の多くが電気と水道が使えない不便な環境を理由に、普及するまでの期間をホテルなどで過ごしたと言われています。特に高層階の方はエレベーターが使えない状況から、生活するのは非常に困難な状況でした。

火災保険では加入内容に応じてホテルへの仮住まい費用などを臨時費用特約で補償されますが、武蔵小杉タワマンの事例は専有部分が直接的な被害を受けていないため、仮住まいが必要だと証明するのが困難です。

実際に保険金を支払うかは各住居が加入している専有部分の火災保険会社の判断になりますが、臨時費用特約の保険金が支払われた事例はほとんどありません。電気と水道が使えない環境であっても、マンションの管理組合から飲料水や携帯トイレの支給が行われたことが、仮住まいの必要な状況だと判断されなかった理由です。

水道が止まっていたため、入浴施設の利用料金程度であれば補償される可能性がありますが、ホテル宿泊費用の全額保障は難しいでしょう。

また、当然ですが風評被害を受けて不動産価値が下落した部分の補償もありません。今回の被害で住むことに嫌気が差した住人も、買い手がつきにくい理由で売るに売れない状況に陥っているのが現状です。

大地震による液状化・地盤沈下

地盤沈下・液状化現象のイメージ

2011年の東日本大震災では、東北地方をはじめ千葉など幅広い地域で地盤沈下や液状化現象が起こりました。

地震による地盤や基礎の損害については地震保険から補償を受けられますが、通常の地震保険は建物価格に対して最大で50%の損害までしか補償されません。また、地盤沈下などの影響で土壌を強化してから建物を建て直す場合は、通常の建築価格より高コストになります。

一部の保険会社が扱っている100%まで上乗せできる地震保険の特約を組み合わせていたとしても、液状化や地盤沈下の損害は全額補償されないことがあるので注意しましょう。

地盤が軟弱な理由で地震被害を受けた家は、売る際にも土地価格の下落によって損失を出しやすいです。

まとめ

火災保険や地震保険に加入していれば、建物の直接的な被害を幅広く補償されますが、生活への悪影響や土地価格の下落による損失は補償されません。

被災しても極力現在の家に住み続ける気持ちがあっても、思わぬトラブルで生活に支障が出るかもしれません。

これからマイホームを購入する方は、災害ハザードマップや地盤強度、建物設備をしっかり確認しておきましょう。

現在住んでいる家の災害リスクが気になる方は、地震保険にしっかり加入し、災害時に電気や水道が止まっても生活できるように防災グッズを揃えておくとよいでしょう。

火災保険や地震保険に加入すれば、災害時のリスクを全て補償されるワケではないことを覚えておいてください。

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