風災に免責をつけて後悔

免責設定の有無と金額で見る風災リスクの考え方

提案する男女
一戸建てが立ち並ぶ住宅街

免責設定の有無と金額で見る風災リスクの考え方

風災の免責で変わる火災保険料の変動幅

新築購入時や小さい子供がいる家庭もしくは新婚の場合は、将来的に金銭的余裕が変化することも考慮して火災保険のプラン選定をしましょう。予算の中に収めるように深く考えずに免責をつけたり補償を薄くしたりすると後悔します。

風災の免責設定に後悔

台風の被害に遭い、困る女性

火災保険は免責を設定することで保険料を安くできますが、いざ損害が発生して保険請求する際に免責が付いていると後悔するケースが多いです。

特に長期契約では、生活環境の変化や免責設定したことを忘れてしまうなどの理由で後悔しやすいので注意しましょう。

免責金額の価値が変化する

免責設定を理由にした後悔でよく見られるのが、台風や突風による飛来物で窓ガラスが割れてしまう事故。風災は大きな事故になると、屋根が破損するなどして数百万円の損害が発生する恐れがあります。

大きなリスクに備えながら、窓ガラスの破損など軽微な損害は自己負担すると割り切って免責設定する方法は定番の節約テクニックです。

2階の通り沿いなど、割れやすい窓ガラス1枚の交換費用が10万円だった場合、免責金額1万円なら10万円の修理を1万円の自己負担で対処できれば十分だと考えているものです。免責を10万円以上に設定した場合、大きな損害リスクをカバーできれば、窓ガラスが割れて交換する費用くらいは全額実費でも良いと考えています。

しかし、加入時は免責の自己負担やガラス交換修理の全額実費を受け入れる覚悟をしていても、数年後には状況が変わってしまう恐れも。

免責設定を特に注意するべき人
風災の免責設定に注意すべき新婚家族

免責設定を慎重に検討した方がいい人は、マイホームを購入する際の新規契約と、小さいお子さんがいる家庭もしくは新婚家庭です。マイホーム購入時は、長期割引や住宅ローンを利用する金融機関の指定で10年契約を選ぶ方が多く、大半の方はマイホーム購入時点では相応の貯蓄を持っています。

家を買う時は金銭的余裕があるため、免責の負担や窓ガラスの実費修理を受け入れていても、数年経過すると金銭感覚が変化しているかもしれません。中古住宅の場合は、経年劣化による思わぬリフォームで金銭的余裕を失ってしまうケースも多いでしょう。

小さいお子さんがいる家庭や、新婚でこれから子供のできる可能性がある場合は、子供の養育費で家計が圧迫されます。

夫婦共働きの場合は、子育てで妻の収入が減る可能性も考慮しておきましょう。

風災に免責を付けた場合の保険料

風災の免責設定によって、どれだけ保険料が安くなるかは地域や保険金の設定金額によって変わってきます。

一例として楽天損保のホームアシスト(家庭総合保険)による試算事例をご覧ください。

加入条件

保険期間
10年
物件種別
木造戸建(H構造)
地域
東京都
築年数
新築
建物
1,500万円
家財
800万円
地震保険
なし
補償内容
火災・風災・水災・水濡れ

保険料

風災免責なし
239,940円
風災免責1万円
237,230円
風災免責3万円
232,430円
風災免責10万円
232,430円

上記の新築戸建の場合、風災に免責を付けても1年あたりの保険料が数百円程度しか変わりません。10年の保険期間中に風災で窓ガラスが割れる可能性の方が高いですが、この程度の差額であれば免責なしにする価値があります。

その他の補償内容・免責などを色々と削っていけばさらに保険料を安くできますが、大半のケースで1度でも保険請求する機会があれば、免責なしの手厚い補償内容にしておくべきだったと後悔するでしょう。

おわりに

火災保険の見積もりを出す店員

保険代理店のスタッフと火災保険の打ち合わせをする際、保険料を安くしたい場合は免責設定額別に複数の見積を出してもらいましょう。抽象的に予算の範囲内で収まる補償内容で折り合いを付けてしまう人が多く、あとから微々たる差額であれば「免責なし」にしておくべきだったと後悔する人がいます。

紹介した楽天損保の場合は、個別で風災に免責設定できますが、保険会社によっては全ての補償に共通した免責が設定されるケースもあります。免責設定で保険料を調節したい場合は、複数の保険会社を比較検討する価値が高いです。

免責の設定方法に明確な答えはありませんが、火事で全焼したり風災で屋根が剥がれたりといった大きな損害と、窓ガラスが割れる程度の小さな損害の両方を考慮して、不測の事態が起こった時のシミュレーションを立てておきましょう。

長期契約は割引率が高く、加入時に免責設定した旨を忘れやすいので、不安を感じたら免責なしの条件で加入しておいた方が無難です。

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